メニュー

過活動膀胱のお話

[2025.04.21]
当院に通院されている患者さんで一番多い疾患が過活動膀胱です。OAB(over active bladder)と略します。文字通りですが膀胱が活動しすぎるということで、我慢できない尿意(切迫感)に頻尿(昼、夜間をとわず)を伴う状態を指します。過活動膀胱は状態を指す言葉であり、そこには前立腺肥大や、脳血管障害など過活動膀胱に至る原因が同定できることもあります。原因なく過活動膀胱となっていることも多いです。切迫感が強いと尿失禁に至ります。尿意を感じてトイレに行こうとすると尿意がどんどん強くなり間に合わずに少し漏れてします。これを切迫性尿失禁と呼びます。重症の過活動膀胱ということになります。尿失禁となると精神面での損傷がでます。若い時には排尿については気になることは一つもなかったのが、一度尿失禁を体験すると毎日、常に、失禁したらどうしようか、と心配しながら過ごすことになります。自分が老化したこと自覚するかもしれません。現在過活動膀胱治療薬はたくさんあります。主として使用しているβ3作動薬は副作用が少なく、若い方から高齢の方まで、男性も女性も広く使用可能です。β3作動薬で効果が不十分であれば少量の抗コリン薬を追加します。さらに少量の抗うつ薬を追加することもあります。また八味丸など漢方を追加することもあります。治療に抵抗性の方も時にありますが、少数です。多くの方は改善を自覚されております。

過活動膀胱の方の受診があれば、まずは膀胱炎がないか尿検査を見ます。引き続き超音波で残尿がないかを確認します。薬剤選択に必須の検査です。その他尿路の疾患が隠れいていないか、腎臓の超音波、尿の細胞診(膀胱がんのチェック)は通常行います。投薬をしながら通院いただき状態に合わせて薬を継続、増量など考えます。ほとんどの方でベオーバという薬を第一選択で使用しております。膀胱鏡など痛みを伴うような検査が必要となることはめったにありません。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME