血精液症についての話(精液に血が混じった)
[2024.06.25]
精液は白色ですので、血が混じるとすぐに気づきます。赤い場合と褐色(コーラ色)の場合があります。出血が起きたタイミングと射精したタイミングとの時間の差で色がかわります。血液は血管内では赤いですが、血管の外にでると褐色になります。出血後、間もないと赤く、しばし時間がたっている場合に褐色になります。痛みなど症状を伴うことはまずありません。皆さん驚かれて受診されますが、ほとんどのケースは自然に軽快します。血精液症を主訴に受診された方で疾患が見つかった方は少数しかいません。原因は前立腺や精嚢の炎症なのでしょうが、よくわからないことがほとんどです。前立腺生検という前立腺に針を刺す検査の後にはよく起こりますが、ひと月くらいで自然に軽快します。たまった血液を排泄しないことには治りませんので、射精はした方が早く治ると考えています。
受診された方にこれを伝えるとても安堵されます。MRI検査をすると、出血部位が同定できます。前立腺または精嚢からの出血です。血精液を自覚されたら受診ください。精巣から、前立腺、膀胱までに異常がないかを触診、尿検査、超音波検査にて確認します。前立腺癌の確認も必要です。前立腺炎の治療を追加することもああります。