小児の泌尿器科
[2024.06.13]
おちんちんを痛がる。陰嚢がはれている。陰嚢に左右差がある。おちんちんの皮が赤くなった。頻尿になった。おねしょ。子供の泌尿器科で思いつく症状を並べてみました。包茎、包茎に伴う包皮炎、陰嚢水腫、停留精巣といった疾患があります。どの疾患も年齢や程度により、各人に応じて治療を考える必要があります。
夜尿症(おねしょ)の相談もよく受けます。夜尿症とは、5歳以上の小児の睡眠中の失禁とされています。小学校入学時には10%超ですが、自然消失することも多いので、12歳ごろには2%まで減ります。逆に言うと2%は遷延するということです。
原因としては 1) 尿量そのものが多い 2) 膀胱の機能の問題 3) 深い睡眠 が主たるものです。赤ちゃんの頃の膀胱は未成熟で尿の回数が多いのですが、成長に応じ膀胱にたまる量が増えていきます。膀胱機能の成長には個人差があり、7,8歳でも完成していないこともあります。中学生くらいまでは膀胱機能の成長が見込めますので、時間で改善することが多いです。まずは尿検査と超音波検査を行い、腎臓から膀胱まで問題がないかを確認します。治療は生活指導からです。飲水量の確認、夕食後には水を飲まない、規則正しい早寝早起きを指導します。その後薬物治療、アラーム治療など併用していきます。眠りが深くて夜漏らしてしまうお子さんには漢方治療があります。夜間多尿の方にはミニリンメルトが有効です。修学旅行などのイベントが近づいてきて相談に来られる方もあります。状況に応じて、各人ごとに相談して治療を選択していきます。