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男性尿道炎の話

[2024.02.24]

その1

尿道へ病原菌が侵入して発症します。1淋菌性尿道炎、2クラミジア性尿道炎、3その他(非淋菌、非クラミジア性尿道炎)の3つに分類されます。人から人への接触感染であり、性行為感染症の代表です。

男性では尿道、女性では子宮の入り口、また咽頭(のどの奥)に感染することもあります。咽頭感染は自覚症状がでにくく、無症状の咽頭感染者からオーラルセックスを介して感染が広まっていきます。

菌の種類により薬が異なるので、まずは検査です。淋菌もクラミジアも尿検査で検出できます。尿道に綿棒を差し込む必要はありません。可能でしたらパートナーの検査も考えてください。男女ともに咽頭感染の検査も可能です。

 

その2 淋病 クラミジアについて

潜伏期が数日で、はっきりした尿道の痛みを伴い、白い膿がでるのが淋菌です。潜伏期が長く(3週以上のこともある)、症状が軽く、透明の膿がでるのがクラミジアです。痛みというよりかゆみや違和感程度のことも多いです。同時感染も珍しくはありません。

淋菌にはセフトリアキソン点滴、クラミジアにはアジスロマイシン内服が第一選択です。両剤ともに単回投与です。一部ですが薬剤耐性があり、感染が再燃することがあります。尿道炎は完治させないと、次は自分が感染源となってしまいます。治療後の陰性確認のため4週後の再診を推奨しています。陰性確認の結果説明は電話再診も導入したいと考えております。

 

その3 非淋病 非クラミジア尿道炎について

その他(非淋菌、非クラミジア)についてです。淋菌、クラミジアを検出しなかった尿道炎の総称であり複数の原因菌が知られています。マイコプラズマ・ジェニタリウム、ウレアプラズマ、トリコモナス、その他ウイルスを原因とするものもあります。トリコモナスとマイコプラズマ・ジェニタリウム同時PCR検査は保険診療でできます。ウレアプラズマもPCR検査ができますが、自費診療になります。それぞれに有効な薬剤がありますが、薬剤が効きにくい症例もあり、早期の検査、治療開始が望ましいです。

 

その4 Doxy PEP 

感染リスクのある性行為後72時間以内にドキシサイクリン(Doxy)を内服することにより、梅毒は87%、クラミジアは88%、淋病は55%が予防できるとアメリカで発表されました。<PEPとは暴露後予防の略語で、HIVのリスクのある行為のあったときに治療薬を内服して感染を予防する策のことを指します。>

検査をせずに薬を飲むことになります。そのリスクとベネフィットを慎重に考える必要があります。

 

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