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前立腺肥大症の話

[2024.07.06]
男性は60歳くらいになると、前立腺肥大が高率に発症します。日本人男性が高頻度に罹患する癌に前立腺癌があります。男性にしかない臓器で、膀胱とペニスの間にあります。生殖機能で重要な働きをしているのですが、年齢とともにその機能は低下していき、前立腺は病気の発生源となります。

前立腺肥大については、日本人男性の半数以上が罹患します。尿が出にくい、回数が増える、漏れそうになる、夜間に何度もトイレに起きるといった排尿の症状がでてきて、それが生活の質に影響すると病気と認識してください。

受診されたら、エコーで肥大の有無を確認します。尿流量検査と残尿測定で排尿障害の重症度を確認します。薬の治療と手術治療があります。適切な治療方法をともに考えましょう。眼、耳、歯など年齢とともに悪くなるのは避けることができません。前立腺肥大もある程度は避けることができない年齢からの変化と考えます。

薬物治療はアルファブロッカーと呼ばれる薬剤が第一選択になります。当院ではタムスロシン、シロドシン、ナフトピジルは常備しております。尿道を広げて尿を出やすくするイメージです。そこに前立腺肥大そのものを縮小させるデユタステライドという薬剤を併用することがあります。前立腺の大きさと排尿障害の程度はかならずしも一致しませんが、前立腺が大きい場合にデユタステライドが有効と考えております。さらにタダラフィルという薬剤があります。ED治療薬とタダラフィルはよく似た効果なのですが、前立腺や膀胱のあたりの血流がよくなることが薬効とされております。ED治療薬で排尿状態が改善するとことは患者さんからよく聞くことでした。ED治療薬を少量で毎日内服すると排尿障害治療薬となったいうことになります。

そこに過活動膀胱の治療薬も併用して、頻尿に対しても効果を期待できます。ただ、残尿のある状態で頻尿治療薬を使用すると残尿過多となる恐れがあり、通院いただいて残尿検査をしながら薬剤の選択をしてくことが重要です。
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