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梅毒の話

[2024.10.30]

STI(性行為感染症)の代表的の疾患として認識されていると思います。もともとは西インド諸島周辺の風土病であったものが、大航海時代に世界に伝播したと言われています。その後インド、中国を経て20年後に日本に伝播しております。当時のヨーロッパから日本まで距離と20年という伝播期間は長いのか短いのか、どうなのでしょうか。1943年のペニシリンの発明はインパクトが大きく、不治の難病から治療可能な病気に変わりました。長く患者数の少ない状況が続いていたのですが、日本では2015年より増加傾向で、2021年以降さらに増加しています。直近10年で25倍に増加しています。私自身、梅毒の患者を診察したことは長くありませんでしたが、ここ数年は時々見るようになりました。感染後3週(1期)で、亀頭周囲に皮疹がでます。鼠径部のリンパ節の腫脹も伴います。無痛性とされていますが、私の診察経験からは痛みを伴う方もいました。いったん皮疹は消失しますが、感染後3月(2期)のころに全身にひろがり、手のひらや体に皮疹がでます。

梅毒の診断には血液検査が有用です。皮疹が消えている時期でも診断が可能です。少しでも気になることがあれば早めの検査を受けるようにしてください。より早期に治療を開始することが重要です。放置すると3期、4期と進行していき、重篤となります。

梅毒は感染後、血液検査で陽性反応が出るのが6週から8週ほどかかるとされており、感染初期は診断が困難な場合があります。その際には適切な時期に再検査を受けることが重要になります。近年梅毒と診断される方が増えてます。どんどん増えている印象があります。診断も治療も可能な疾患ですので、心配なことがあるかたは検査を受けることを推奨いたします。
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