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高尿酸血症のお話

[2024.11.13]
高尿酸血症の投薬にて通院されている方が、だんだんと増えてきました。尿酸降下剤のフェブキソスタットも院内処方で常備しております。高尿酸血症も生活習慣病の一つと認識されまして、プリン体を多く含む食品やアルコールの過剰摂取が原因となります。高脂血症や高血圧と同時に罹患されている方もたくさんおられます。尿酸が高い状態と放置しますと、尿路結石ができやすく、痛風を引き起こします。また慢性腎臓病の原因となり腎機能が悪化していきます。透析に至る腎不全の原因の一つに高尿酸血症があります。尿酸が高いことで腎機能が悪化していき、腎機能が悪化することで尿酸が上がりやすくなり、負の連鎖になります。 結石や痛風は治療できますが、腎機能については悪化するともとに戻すことはできません。

生活習慣を見直すことで改善が期待できます。ほかの生活習慣病と同じで、食事を見直す、アルコールを制限する、運動を増やすことです。肥満の方は体重を落とすことが必要になります。アルコールを止めずに生活習慣病を改選させるのは困難です。

生活習慣の改善で薬を使わずに改善できれば一番良いです。しかし、それは簡単ではありません。時間もかかります。時間がかかっている間に結石や痛風になったのでは困りますので、生活習慣の見直しをしながら薬を併用していきます。尿酸値が6.5まで低下するように薬を調整していきます。具体的な食事療法や運動療法についてはWEBにはたくさんの情報があります。適度な水分摂取、有酸素運動、アルコール(特にビール)を減らす、この辺りは必須です。最近はプリン含有量の少ない発泡酒がありますので、ビールがやめられない方は選択肢になると思います。

高尿酸血症の原因は体質が7-8割です。運動や食事の影響は残りの2-3割であり、生活習慣の改善のみでコントロールは実は困難なことです。適切な薬物治療がやはり重要になります。腎機能の悪い方や、腎がんなどで片腎となっている方はなおさら薬物治療が重要となります。
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