前立腺癌外来について
[2024.11.02]
泌尿器科癌には腎臓癌、膀胱癌など複数ありますが、前立腺癌が一番症例数が多く、病院勤務医の時には前立腺癌の患者さんを診察する機会がたくさんありました。前立腺癌の手術もたくさん経験してきました。クリニックを開業してから半年で前立腺癌で通院されている方が少しずつ増えてきました。癌については、当クリニックのみで診断をすることがないので、基幹病院にて診断や初期治療を終えた方になります。
前立腺癌にはPSAというとても有用なマーカーがあります。前立腺癌検診とはこのPSAを測定することです。PSAの上昇をきっかけに前立腺癌の診断となることが多いです。PSA上昇と前立腺癌が疑われるのが同じ意味になります。
PSAの値と年齢からどのような対応がよいかを考えます。80歳を超える方の場合、わずかなPSAの上昇は経過観察することも多いです。精密検査が必要と考えた場合には、大きな病院に依頼してMRIを施行します。MRIの結果をみて引き続き生検検査が必要かどうかを考えます。この過程は当クリニックにて相談できますのでいつでもお越しください。
前立腺癌の治療は早期の場合はロボット支援前立腺癌手術が施行されます。手術で癌が完治される方も沢山いますが、逆に手術のみでは完治せず追加の治療を必要とする方もいます。放射線治療も早期がんの治療に施行されます。手術同様に完治される方もあれば、追加の治療を必要とする方もあります。癌の状態は人によって異なるので、治療の結果もいろんなケースがあります。当クリニックでは前立腺癌の治療後の経過観察が可能です。おおきな病院で治療を受けた後、ある程度の期間がたって状態が落ち着いている方が対象です。3月に一度のPSA測定が基本で、数値が上昇してくることがあれば、CTやMRI検査にて再発病変を検索することになります。
手術や放射線で根治しなかった方、最初から進行癌で手術や放射線の対象とならかった方、高齢で手術や放射線治療の対象とならなかった方、などがホルモン治療の対象となります。前立腺癌の進行には男性ホルモンが関与していて、男性ホルモンの働きをとめると前立腺癌が自然に縮小していく。これがホルモン治療になります。注射と飲み薬を併用してホルモン治療は行います。飲み薬にはたくさん種類があり、患者さんごとの状況に合わせて選択していきます。注射剤など常備しております。ホルモン治療についてはたくさんの症例を経験しておりますのでいつでも相談ください。