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不眠症のお話

[2025.03.15]
漢方薬が強い領域に一つに不眠があります。当クリニックには不眠と漢方も一つのテーマにしております。不眠を主訴に来られる方もだんだん増えてきました。眠れない、眠りが浅い、中覚醒。早朝覚醒、不眠のパターンはこんな感じかと思います。漢方には実にたくさん不眠に対する処方があります。不眠のパターンに応じて薬の使い分けがあります。睡眠薬(いわゆる睡眠導入剤)も適宜使用します。院内処方ではすべてを準備することはできませんが、できるだけ対応したいと考えております。不眠症治療薬のデエビゴも2025年3月より院内処方にて準備しております。

睡眠時間は個人により異なります。必要な睡眠時間も個人により異なります。年齢、職業、生活様式などにもよると思います。多くの報告が睡眠時間は6-8時間が適当とされております。6-8時間問といっても2時間もが幅あるわけで、6時間でよいのか?8時間必要なのか?と疑問が出てきますが、不眠症治療を考える上では6-8時間の間を取って7時間の睡眠を目指そうかと考えております。中途覚醒が一度あったとしても合計で7時間の睡眠時間を目指そうということです。

当院は泌尿器科ですので夜間頻尿の治療にも取り組んでおります。夜間頻尿の治療では夜の尿回数を1回にすることを目標にして、寝入ってから一度目の排尿まで4時間あくことを目標にしております。

良い睡眠のためには、できるだけ規則正しい生活をすること、日中の適度な運動、多量のアルコールを避ける、喫煙やカフェインを避ける、夜のスマホをやめる、などたくさん必要なことはあります。できることは取り入れてください。枕や寝具の選択、いつも同じ場所で寝るなど環境因子もできることは取り入れてください。肉体的な疲れは最良の睡眠の促進因子ですが、逆に心の疲れば不眠の因子になります。

抑肝散加陳皮半夏、当院ではまずこれを中心に不眠治療を考えます。鎮静作用のある成分が複数入っています。不眠だけでなく、認知症の周辺症状である易怒性にも有効です。中高年の女性で中途覚醒を訴える方が複数ありますが、この漢方とデエビゴを合わせて使用することでよい効果が得れています。

男性更年期の方にも不眠を訴える方が多いです。中高年のの男性では、男性ホルモンを血液検査で確認しております。結果に応じてホルモンを補充することで不眠が改善する方が多数あります。ストレスで不眠になり、さらにストレスがたまるという負の循環があります。そのような状況は男性ホルモンが低下して男性更年期を悪化させます、ホルモンの補充はこのような負の循環をリセットする目的で使用します。ホルモンの低下がみられない中高年の男性では柴胡加竜骨牡蛎湯を使用することが多いです。イライラや精神不安のを和らげて不眠治療に導く漢方になります。肉体的な疲労の蓄積が不眠の原因となっている場合は補中益気湯や十全大補湯といった体力を補う薬を合わせて使用します。

女性の更年期にともなう不眠には加味逍遥散を使用することが多いです。女性の漢方の代表ですが、心の疲れ、体の疲れ双方を改善させて不眠に効かせます。

眠ろうとすると、いろんなことが頭に浮かんで寝れなくなる、眠れないとイライラして、興奮してさらに眠れなくなる。こういった方には黄連解毒湯という漢方があります。

精神科や心療内科に行くほどではない不眠症の方に役立つ漢方がああります。いつでも相談ください。睡眠導入剤は当院では積極的には使用しませんが、そもそも寝れない方にはどうしようもないので、睡眠導入剤も使用します。エスゾピクロンという副作用の少ない薬剤を少量で使用しております。
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